Samba 3.0.25 リリースノート
提供:Samba-JP
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============================================================== リリースアナウンスメント ======================== これは Samba 3.0.25 の安定版リリースの最新のものであり、現在確認済のバ グを修正するために、サーバで実行すべきリリースである。 Samba 3.0.25 のリリースは Samba 3.0.23/3.0.24 に対する単なるアップグレー ドリリースという位置づけを越えるものである。すなわち多くの開発が行われ て、前回の Samba の安定版リリースから多くの新機能が追加されている。我々 はプレビューのスナップショットやリリース評価版のテストに手を貸していた だいた Samba コミュニティの一人一人に感謝している。一人一人のおかげで、 この安定版リリースがよりよいものになったと確信している。 Samba 3.0.25 のコードに含まれる主要な特徴は以下の通り: o winbind のオフラインログオン機能に大きな改良が行なわれた o 「net ads join」の際に、セキュアなDNSの動的更新がサポートされた o IdMap インタフェースが書き直され、TTL に基づくキャッシュやドメイン 毎のバックエンドの指定が可能となった o 「winbind nss info」パラメータでプラグインのインタフェースが 新規にサポートされた o Linux の inotify を利用する新しいファイル変更通知のサブシステムが 実装された o VFS プラグインで Windows のセキュリティ識別子がサポートされ、同一 のサーバ上で複数の UNIX ACL の実装を動作させることが可能となった o Windows Vista クライアントとの互換性が向上した。Linux サーバとの読 み取り時のパフォーマンスも向上した。 o IdMap および VFS プラグインのマニュアルページが追加された Samba 3.0.25 リリースに含まれるセキュリティ修正は以下の通り: o CVE-2007-2444 Versions: Samba 3.0.23d - 3.0.25pre2 Local SID/Name translation bug can result in user privilege elevation o CVE-2007-2446 Versions: Samba 3.0.0 - 3.0.24 Multiple heap overflows allow remote code execution o CVE-2007-2447 Versions: Samba 3.0.0 - 3.0.24 Unescaped user input parameters are passed as arguments to /bin/sh allowing for remote command execution オフラインログオンおよび Active Directory サイトのサポート ========================================================== Samba 3.0.25 では Winbind の機能であるオフラインログオンのサポートが飛 躍的に向上した。更に Active Directory のサイト情報を持ちてドメインコン トローラを動的に決定する機能もサポートされた。 winbindd 用の IdMap インタフェースの新規サポート ================================================ Samba 3.0.25 では、winbindd の IdMap インタフェースが書き直され、 「idmap backend」パラメータも置き換えられる。詳細については、 smb.conf(5) マニュアルページの「idmap domains」を参照のこと。 動的な DNS 更新 =============== 「net ads join」 コマンドが、ホストの A レコードを Windows 2000 SP4 も しくは Windows Server 2003 の DNS サーバに対して、登録することが可能と なった。この機能を有効にするには、コンパイル時に ./configure スクリプ トにおいて --with-dnsupdate を指定する必要がある。同様に「net ads dns」 コマンドにより、ホストレコードの更新が可能となり、DHCP クライアントの スクリプトにより、新規に IP アドレスを取得した際に実行することが可能と なった。 追加の ACL モジュールのサポート =============================== Samba の POSIX ACL サポート機構は VFS レイヤに移動した。これにより、 NFSv4 や GPFS の ACL を含む複数の ACL の実装を同一サーバ上でサポートす ることが可能となった。 VFS ReadAhead プラグイン ======================== Windows Vista では、ファイル転送のパフォーマンス向上のため、読み取りの パイプライン化がサポートされた。新規に追加された vfs_readahead プラグ インにより、Linux ファイルサーバが Vista クライアントに対するファイル サービスの提供時に Disk I/O 待ちの時間を避けるため、カーネルバッファを ファイルキャッシュに用いることが可能となった。Linux サーバと Vista ク ライアントの間のファイル読み取りのパフォーマンスが出ない方は、smb.conf の共有定義部分で以下のように記載することで、vfs_readahead モジュールを 有効にしてテストしてほしい。 [file_share] vfs objects = readahead このプラグインを用いると smbd により用いられるカーネルバッファの量が増 加するため、RAM の使用量が増加する。詳細については vfs_readahead(8) を 参照のこと。 Windows Vista、Office 2007、オフラインファイル ============================================== オフラインファイル、Windows Vista、Microsoft Office 2007 に対する調査 により、これらのアプリケーションが smb.conf における「map acl inherit = no」の設定と互換性のないことが明らかになった。クライアント上のキャッ シュ(csc)やオフラインファイルの利用が必要なユーザは、サーバの設定にお ける関連する共有定義において、「map acl inherit」オプションを有効にす る必要がある。Samba の将来のバージョンではこの設定はデフォルトで有効に なる。 「map acl inherit」の詳細については smb.conf(5) のマニュアルページを参 照のこと。 smb.conf パラメータの変更点 =========================== 詳細については、smb.conf(5) のマニュアルページを参照のこと。 Parameter Name Description Default -------------- ----------- ------- change notify timeout Removed n/a change notify New Yes debug prefix timestamp New No fam change notify Removed n/a idmap domains New "" idmap alloc backend New "" idmap cache time New 900 idmap negative cache time New 120 kernel change notify Per share Yes lock spin count Removed n/a max stat cache size Modified 1024KB printjob username New %U winbind normalize names New no ================ ダウンロードの詳細 ================== 伸長した tar アーカイブおよびパッチファイルは GnuPG (ID 6568B7EA) を用 いて署名されている。ソースコードは以下からダウンロード可能である: http://download.samba.org/samba/ftp/ リリースノートは以下から取得可能である: http://www.samba.org/samba/history/samba-3.0.25.html バイナリパッケージは以下から取得可能である: http://download.samba.org/samba/ftp/Binary_Packages/ Our Code, Our Bugs, Our Responsibility. (https://bugzilla.samba.org/) --Enjoy The Samba Team