Samba 3.3.0 リリースノート
Samba 3.5.0 リリースノートの翻訳になります。不備がある場合は適宜加筆、修正をお願いします。
Samba 3.5.0リリースノート(2010年3月1日)
これは Samba 3.5.0 の最初の安定版のリリースです。
Samba 3.5.0 の主な機能拡張点を以下に示します:
- 全体的な変更点:
- Windows の時刻精度の完全なサポートが新たに追加された
- Using Samba の HTML が削除された
- net、smbclient、libsmbclient が Winbind によってキャッシュされた資格情報を用いるようになった
- 「wide links」パラメータのデフォルト値が「no」に変更された
- プロトコルの変更点:
- SMB2 の試験的な実装が行われた
- 印刷に関する変更点:
- CUPS サーバとの接続における暗号化機能がサポートされた
- Winbind の変更点:
- 大幅なリファクタリング
- 非同期化
- VFS モジュール:
- vfs_scannedonly モジュールが新たに追加された
全体的な変更点
Windows の時刻精度の完全なサポートが新たに追加された。これにより、Linuxカーネル(2.6.22以上)とglibc(2.6以上)がサポートされているバージョンであれば Windows の 100ns 単位の時刻精度が利用可能となった。
Using Samba の HTML が Samba の tar アーカイブから削除された。これは http://www.samba.org/samba/docs/using_samba/toc.html で提供を続けている。
net、smbclient といった Samba のクライアントツールや libsmbclient がログオンの際に Winbind によってキャッシュされた資格情報を用いることが可能となった。これにより Nautilus から Samba サーバに接続する際にユーザ 名とパスワードを再入力する必要がなくなるためとても便利である。この機能はデフォルトで有効となっているが、環境変数 LIBSMBCLIENT_NO_CCACHE を設定することでアプリケーション単位に無効とすることも可能である。
セキュアでないデフォルト設定(「wide links = yes」および「unix extensions = yes」)を避けるため、「wide links」のデフォルト値が「no」に変更された。詳細については、以下を参照のこと: http://www.samba.org/samba/news/symlink_attack.html
プロトコルに関する変更点
実験的な実装ながら、SMB2 プロトコルが追加された。SMB2 は「max protocol = smb2」と設定することで有効にできる。SMB2 は Windows Vista 以降で実装された SMB プロトコルの新しい実装である。
印刷に関する変更点
新しいパラメータ「cups encrypt」が追加され、CUPS サーバへの接続を暗号化するかどうかを制御できるようになった。デフォルトでは暗号化されない接続が用いられる。
Winbind の変更点
Winbind デーモンは内部的にリファクタリングされ、非同期に動作するようになった。新しい Winbind では、「getent group」や「getent passwd」実行時に処理がブロックされない。
VFS モジュール
新しい VFS モジュールである「scannedonly」が追加された。これはアンチウイルスのエンジンとやりとりを行い、ファイルがウイルスに汚染されているかどうかを記録するフィルタである。ユーザからは汚染されていないファイルのみをファイルシステム上で確認できる。
変更点
smb.confの変更点
Parameter Name Description Default -------------- ----------- ------- create krb5 conf New yes ctdb timeout New 0 cups encrypt New no debug hires timestamp Changed Default yes ldap deref New auto ldap follow referral New auto nmbd bind explicit broadcast New no wide links Changed Default no
新しい configure オプション
--enable-external-libtdb 外部の tdb ライブラリを有効にする --enable-netapi netapi のサポートを有効にする --enable-pthreadpool pthreads プールのヘルパーサポートを有効にする --with-cifsumount umount.cifs (Linux のみ)のサポートを有効にする --with-codepagedir=DIR codepage を配置する場所を指定する
(詳細な修正点は省略)
ダウンロードの詳細
伸長した tar アーカイブおよびパッチファイルは GnuPG (ID 6568B7EA) を用いて署名されています。ソースコードは以下からダウンロード可能です:
リリースノートは以下から取得可能です:
バイナリパッケージは以下から取得可能です:
Our Code, Our Bugs, Our Responsibility.
(https://bugzilla.samba.org/)
--Enjoy The Samba Team